
これはダメな構図、これはいい構図というふうに、
かたちばかりがクローズアップされやすい構図の話ですが、
実際はケースバイケースなものなので、
ひとくくりには語れません。
「写したいものをはっきりとさせる」
「写したくないものは写さないようにする」
これがカメラを構えたときの基本的な考えかた。
構図の話になると、
よくダメだと言われがちなのが「日の丸構図」です。
日の丸構図とは、ちょうど日本の国旗みたいに、
ポイントとしたい部分を
どまんなかに配置して撮影することを言いますが、
日の丸構図にしたら写真がダメになるかというと、
必ずしもそうではありません。
フレームのどまんなかというのは、
カメラにとってピントを合わせるのがとても得意なところ。
写真は「いい!」と思った瞬間を残すことがとても重要。
タイミングを逃したセンスのいい構図の写真よりは、
一瞬を捉えた日の丸構図の方が写真としてはインパクトがあります。
構図なんてどうだっていい!と割り切って撮影することが
こどもを撮るときには大切なのかもしれません。

ダメな構図の代表例に日の丸構図があるように
いい構図の代表にも「三分割法」というのがあります。
これは写真のフレームの中に、
縦を三分割する2本の線と、横を三分割する2本の線を引き、
その交差する点に主題を置くと、
いい写真になりやすいという方法のこと。
三分割法はなかなか覚えやすく、効果も高い構図法の1つですが
ピント合わせがむずかしくなるというデメリットもあります。
オートフォーカス(AF)のポイントが
カメラのまんなかに集中しているので、
「半押ししてピントを合わせたまま、
少しだけ構図をずらして、全押しして撮影」
といった、すこしややこしい手順を踏む必要があります。
この手順を踏まないで撮影してしまうと、
背景にピントが合って、
人物がぼけてしまう写真になりやすいので気をつけましょう。

ある日、ふと見ると
お昼寝から起きた我が子がおとなしく1人で絵本を読んでいる。
起きたのに泣かないで、しかも1人で読んでいるなんて!!
こんなのは初めてのこと。成長をじんわりと感じます。
写真を撮ってパパに報告しなくては......
こういうときはどういう構図がいいのでしょう。
三分割法? 日の丸構図?
まずたいせつなのが、絵本もきちんといれてあげること。
あまりの出来事に感動して、顔のアップを撮ってしまっては
「絵本を読んでいたこと」が伝わりません。
じゃあ絵本を読んでいたことがよく分かるようにと、
画面いっぱいに絵本を読んでいる姿にフレーミングしてしまうと
今度は「1人で読んでいたこと」が伝わりにくくなってしまいます。
「1人で読んでいたこと」を伝えるためには
「誰もそばにいなかったんだよ」ということを証明するために
周りもいれてあげることが重要です。
写真を見た人に伝えるためには、
なにが必要かなと想像しながら、近寄ったり離れたり、
空間をあけたり、フレームいっぱいに写したりする。
「こうすればいい!」という形から入るのではなく、
自分が伝えたいことのためにかたちを変えていく。
それが「伝える写真」のほんとうの撮りかたです。

09年06月29日







